患者さん・ご家族・県民の方へ

熊本県では、いつでもどこでも質の高いがん治療を安心して受けていただくために、県下共通の熊本県がん診療連携クリティカルパス「私のカルテ」(以下「私のカルテ」という)を策定し、平成22年3月より運用を開始いたしました。

「私のカルテ」って?

がん診療連携拠点病院の専門医と、お住まいの近くのかかりつけ医など地域の先生が「連携して(役割分担して協力しながら)」がんの患者さんを診るために作られた共通・共有する計画表が入っているファイルを「私のカルテ」と呼んでいます。

「私のカルテ」は、熊本県内のがん診療連携拠点病院からお渡しするもので、がんの患者さんご自身が所持され、専門医やかかりつけ医を受診する際または保険薬局を利用する際など、医療機関に提示し記録をしていくご自身のカルテです。

カルテの中には・・・
  • 共同診療計画表という、治療の計画・予定の表があります。
    (「がん診療連携パス」のことで簡単に「連携パス」と呼ぶ場合もあります。)
    この表を使いながら、計画的に専門医とかかりつけ医があなたを診ていきます。

  • 私の診療記録という、医療スタッフやあなたやご家族が自由に記載できるノート部分があります。伝えたいことや日々の記録などを自由に書くことができます。

  • お薬手帳入れの袋
    あなたのお薬手帳を入れます。「私のカルテ」に入れたまま保険薬局に提示することができます。薬剤師もあなたの情報を知ることができるので、服薬へのアドバイスや相談に乗ってもらうことができるでしょう。

  • 検査データ入れの袋
    採血などの検査結果の紙を収納することができます。

  • 私のプロフィールという、あなたの基本情報や緊急時の対応についてあなたご自身や医療スタッフと一緒に書き込むものがあります。

  • 情報共有書という、主に「私のカルテ」を使うことになったあなたのがんに関しての、がんの種類、手術、病理結果、病歴、治療内容など、療養上の大切な情報を記載したものです。
    これはがん診療連携拠点病院の担当者が作成します。

  • がん診療連携パスに関する説明書・同意書
    専門医や担当者から「私のカルテ」についての丁寧な説明を受け、あなたが使いたいと思った時に同意書として日付・お名前を記載していただくものです。
    この同意をもとに「私のカルテ」を使うことになります。

「私のカルテ」を使うと・・・

あなたが自分で自分の診療計画や目標、病気についてを理解する助けとなります。

共同診療計画表に基づいて専門医とかかりつけ医が診ていきますので、検査の重複などを避けられ適切な検査、治療を受けることができます。

がん診療連携拠点病院では待ち時間が長いことや通院時間、距離が苦痛になる方も多いと思います。かかりつけ医でも引き続き同じ水準で、同じ医療を計画的に受けることができるので、あなたの日常生活の負担が減ります。

あなたやご家族、医師や看護師、薬剤師、その他スタッフが一緒に使い書き込んでいきますので治療に関するあなたの大切な記録になるでしょう。