熊本大学大学院生命科学研究部 乳腺・内分泌外科 講座 患者さま・一般の皆様へ 医療者・医学生の皆様へ

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特色ある診療 ~マンモトーム~


マンモトーム生検について

乳腺疾患の診断にはマンモグラフィ検査、超音波(エコー)検査、MRIやCT検査が行われます。最終的な診断確定のためには疑わしい部分の細胞を吸引、もしくは組織を摘出して顕微鏡で検査する細胞診や組織診が必要です。しかし、現在、注射器で吸引する細胞診(FNAC)や針生検(CNB)による組織診では採取できる検体が少なく、正確な診断ができなかったり、再検査が必要であったり、また切開して組織を切除する手術を必要とする事があります。

また、近年マンモグラフィ検診の普及により、触診でふれることができない病変やエコーでも描出できない微小石灰化で発見される非触知腫瘤が増えてきました。これらが、すべて悪性とは限らないため、これを診断するためには組織診断が必要となりますが、触診や超音波検査で同定することができないため組織を摘出することは困難です。このため、検査を複数回繰り返さなければならなかったり、幸い良性だった場合でも、乳房に傷が残ったり、乳房が変形することもあります。

マンモトーム生検では、マンモグラフィーや超音波画像で病変を確認しながら針を刺し入れ、針の側面にある吸引口で組織を採取します。マンモトームの針は円筒状の カッターとなっており、一度針を刺せば途中で針の出し入れをすることなく、一度の操作で4mm程度の切開創から十分な量の組織を採取することができます。 患者さんの負担が少ないうえに診断精度の高い検査となっています。検査は局所麻酔を用いて痛みを抑え、超音波やマンモグラフィによる画像で病巣を確認しながら行われます。組織を採取したら傷口を止血しテープで止めて終了となります。検査時間は20分程です。また、傷口は4mm程度であり、縫合の必要もなく約1ヶ月で目立たなくなります。 外来で行えますので、入院の必要は有りません。

マンモトーム生検は、通常の検査では診断が困難な病変に対して行うものです。専門施設でよく相談の上、正確な診断のためのマンモトーム生検を受けましょう。

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