業務内容


嚥下障害診療センターの特徴

ものを食べることは生きてゆく上で必要な行為であると同時に生きる楽しみの一つでもあります。食べることの障害(うまく呑み込めないこと、嚥下障害)は栄養を摂取できないだけでなく、飲食物が気管に入って肺炎を起こすことがあります。それも本人や家族が気付かないうちに誤嚥を繰り返すと(不顕性誤嚥と呼びます)肺炎が重症になって死亡する原因になります。このような嚥下障害を起こす原因疾患は脳梗塞、脳出血、慢性呼吸器疾患、神経あるいは神経筋疾患など多岐にわたり、多くは高齢者に起こりやすい病気です。実際、平均寿命の延長に伴って嚥下障害や不顕性誤嚥を生じる種々の疾患が増加しつつあり、繰り返す誤嚥による誤嚥性肺炎は悪性新生物(がん)、心疾患に次いで直接死因の第3位(平成23年以後)になりました。府県別にみると熊本県の平均寿命は日本第4位であり、今後、嚥下障害と誤嚥性肺炎をきたす患者さんの増加が予想されます。


多くの診療科が担当する多岐にわたる疾患が嚥下障害を誘発する基礎疾患として存在し、嚥下障害の病態と重症度もさまざまであることから各診療科・部門が独自に嚥下障害に対応することはできません。そこで、熊大病院では、従来の診療科・部門間の垣根を取り払い各診療科・部門が共同して、患者さんごとに基礎疾患と嚥下障害の重症度・病態を把握し適切な診断治療方針を立てることのできる、診療科を横断した「嚥下障害診療センター」が平成26年4月に組織されました。


嚥下障害診療センターは5つの診療科(耳鼻咽喉科・頭頸部外科、歯科口腔外科、呼吸器内科、神経内科、神経精神科)と3つの診療部門(栄養管理室、リハビリテーション部、看護部)で構成されています。このように多くの診療科と部門が共同して診療にあたる体制は全国的にもほとんど存在せず、非常にユニークな取り組みです。熊本大学方式と呼べる新たな診療形態を全国に発信することを目指しています。

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業務領域

嚥下障害をきたす原疾患の診断と治療 誤嚥性肺炎の診断と治療 嚥下障害の重症度の診断 嚥下障害の病態診断 咬合(歯の噛み合わせ)・咀嚼機能の診断と治療 嚥下障害のリハビリテーション 嚥下障害の手術治療 他医療機関との情報送受、連携

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Copyright©熊本大学病院 嚥下障害診療センター