熊本県地域医療介護総合確保基金メディカルスタッフの人材育成を介して行う次世代型包括的神経難病診療体制構築事業(神経難病診療体制構築事業)を担当しております山下太郎と申します。本事業は、熊本県の支援を受け、熊本大学医学部附属病院神経内科(教授:安東由喜雄)内に平成28年4月に設立されました。
 現在、我が国の神経難病患者に対する診療体制は十分でなく、患者や介護する家族の高齢化にも伴い、十分な医療が提供できておりません。さらに、神経難病に関する専門知識と技能を持った医療スタッフも極めて少なく、またそれぞれの医療施設や職種間に十分な連携ができていないのが現状です。
 そこで、本事業では、神経内科専門医のみならず、一般内科医や、看護師、理学療法士、介護福祉士、薬剤師、相談員などの医療職に対する系統的な教育や、診療支援を行い、それぞれの職種が専門性を高め、互いに連携し、神経難病患者に対する十分な医療を提供できる体制を構築することを目指しております。
 本事業が神経難病患者、家族にメリットをもたらし、さらには高齢化社会を迎えたわが国における難病医療ネットワークのモデルとなるよう取り組んで参ります。皆様、今後ともご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

熊本大学病院 脳神経内科
神経難病診療体制構築事業
特任助教 髙松孝太郎 拝