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2021年3月 前城先生(歯科口腔外科)と神力准教授による、がん転移過程における新たなクローン選別機構に関する論文 ”Colonization of distant organs by tumor cells generating  circulating homotypic clusters adaptive to fluid shear stress” がScientific Reports にアクセプトされました。

 

【論 文】
Maeshiro M, Shinriki S, Liu R, Nakachi Y, Komohara Y, Fujiwara Y, Ohtsubo K, Yoshida R, Iwamoto K, Nakayama H, Matsui H. Colonization of distant organs by tumor cells generating circulating homotypic clusters adaptive to fluid shear stress. Sci Rep. 2021 Mar 17;11(1):6150. doi: 10.1038/s41598-021-85743-z.

 

URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33731803/

 

本研究では、DNAバーコーディング法によって、遠隔臓器にドミナントに生着・潜伏している癌細胞のクローナリティを解析しました。その結果、一部のE-カドヘリン結合分子(アクトミオシン調節分子が豊富)を高発現している癌細胞同士が、流体せん断応力(FSS)下でもアクトミオシンの調節を介してホモティピックな循環腫瘍細胞(CTC)クラスターを効率的に形成し、ドミナントに遠隔臓器に生着することがわかりました。
CTCクラスターは転移能が非常に高いことが知られていますが、そのクローナリティに関してはほとんどわかっておりませんでした。本研究は、CTCクラスターにおける機能的なクローン選択の存在を示すものであり、転移過程におけるメカノセンシティビティの理解が重要であることを示唆しています。