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2021年12月28日 劉隣先生(歯科口腔外科)の論文“The Tumour Suppressor CYLD Is Required for Clathrin-Mediated Endocytosis of EGFR and Cetuximab-Induced Apoptosis in Head and Neck Squamous Cell Carcinoma.”がCancers にアクセプトされました。劉先生、おめでとうございます!

 

【論 文】
Liu R, Shinriki S, Maeshiro M, Hirayama M, Jono H, Yoshida R, Nakayama H, Matsui H.
The Tumour Suppressor CYLD Is Required for Clathrin-Mediated Endocytosis of EGFR and Cetuximab-Induced Apoptosis in Head and Neck Squamous Cell Carcinoma.
Cancers (Basel). 2021;14(1):173. doi:10.3390/cancers14010173
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35008337/

 

本研究では、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)においてCYLDがEGFRの輸送とシグナル伝達、およびEGFR標的治療であるセツキシマブ(CTX)の抗腫瘍活性にどのように関わっているかを解析しました。その結果、CYLDは細胞表面の脂質ラフトに存在しており、CYLD タンパク質における1つ目のCAP-GlyドメインがEGFRのクラスリン依存性エンドサイトーシス(CME)および分解に重要な役割を果たしていること、CYLD発現低下細胞ではこのプロセスが阻害されてCTX耐性が誘導されることが明らかとなりました。さらにコレステロール降下薬が、脂質ラフトの崩壊を介してEGFRのCME・分解を回復させることで、CYLD低発現細胞におけるCTX耐性を克服することを見出しました。
先行研究において、HNSCCの浸潤部でCYLDの発現が低下しており、それが癌の浸潤やシスプラチン耐性に寄与していることが明らかとなっており、本研究はコレステロール降下薬の抗EGFR標的治療への併用がHNSCC治療に有用である可能性を示しています。