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APAO 2026(香港) 参加報告

熊本大学眼科に本年度から入局致しました越山 碩と申します。この度、香港で開催されたAPAO 2026(Asia-Pacific Academy of Ophthalmology Congress)に、2026年2月5日から8日にかけて参加させていただきましたので、ご報告申し上げます。

  • 会場のフォトブースで参加者撮影
    左から村田夏実先生、越山、小島祥先生、木山武大先生。熊本大学からは4名参加しました。

APAOは毎年開催される、アジア太平洋地域を中心とした国際学会です。例年数千人規模の参加者を集めています。今回のAPAO2026はEyes on the Future: Innovating Ophthalmologyをテーマに最先端の研究を共有し、最新のトレンドを探求するために、シンポジウム、ワークショップ、ウェットラボなど様々なセッションが企画されていました。今回も世界中から6000人以上の眼科医が参加したとのことで大規模な学会でした。
会場となった香港コンベンションセンターは香港の雄大な海岸沿いの街並みを一望することができる好立地でした。現地の気温は2月ながら暖かく、街中では半袖の人もいるような気温で、心地良い気候の中での学会となりました。

  • 会場からの眺望を楽しむ木山先生

本学会では、井上教授をはじめ、小島祥先生、村田夏実先生、その他共著の先生方にご指導頂き、偽水晶体眼におけるBaerveldt緑内障インプラント術後の角膜内皮細胞変化と関連因子に関してポスター発表致しました。入局1年目という早い段階から、国際学会での発表を経験できたことは非常に貴重な経験でした。

  • E-poster展示会場での一枚

ポスター発表の数もE-Poster、紙ポスター合わせて多数展示があり会場内だけに収まりきらず廊下に展示があるほどでした。チューブシャント手術に関する研究も多く、同分野の最新動向を幅広く学ぶことができました。

他にもシンポジウムや企業展示など、様々なプログラムに参加しました。内容としては、中国を含めた東アジアの有病率の高さからか、近視抑制に関するトピックがしきりに取り上げられていたことが印象に残っています。
また、海外学会ならではと感じたのが外傷のセッションです。バングラディッシュのドクターの発表で日本国内ではあまり馴染みのない「銃外傷」について、疫学から治療に至るまで詳細な解説が行われており、国内学会では触れることのないテーマに大きな刺激を受けました。

企業展示のブースも非常に活気があり、様々な最新機器を見ることができました。

  • 近視抑制治療であるレッドライト療法を実際に体験する小島祥先生
  • 3次元デジタル可視化システムを用いたHead-up surgery対応顕微鏡を体験する私と木山先生

会の途中では、思わぬ出来事もありました。シンガポールを拠点とする、眼科分野に特化した医療メディアであるMedia MiceのChrisさんに突然声を掛けられました。話を聞いているうちに気づいたらそのまま取材を受ける流れになっていました。今回の取材内容は採用されないだろうなと思って軽い気持ちで受け答えをしていましたが、帰宅した後で確認してみると、映像が使われており図らずもYouTubeチャンネルに出演してしまいました。一瞬の出演ではありましたが、現地参加者の中で日本代表的な扱いをされていたのでもう少し気合を入れて話しておけばよかったです。しかし、貴重な国際学会ならではの経験となりました。

今回、初めて国際学会に参加しましたが、熊本大学眼科では若手医師であっても、学会参加や研究発表の機会が積極的に与えられ、上級医の先生方から手厚いサポートを受けながら挑戦できる環境が整っていると強く感じました。これから進路を考える研修医・医学生の皆さんにも、ぜひ熊本大学眼科という環境で、診療・研究・学会活動を通じた多くの経験を積んでいただければと思います。最後になりますが、このような貴重な機会を与えてくださった井上教授をはじめ指導医の先生方ならびに関係者の皆様に、心より感謝申し上げます

WGC(World Glaucoma Congress)2025

熊本大学眼科入局2年目の専攻医の岸健一郎と申します。今回、アメリカ・ハワイで開催されたWGC(World Glaucoma Congress)2025に参加させていただきました。

WGCは2年に1度開催される国際的な緑内障の学会で、2025年は6月25日から28日の4日間の日程で、ハワイコンベンションセンターで開催されました。私は、井上教授、高橋先生にご指導いただき、バルベルトチューブシャント手術後の晩期高眼圧に対する被膜切除と毛様体光凝固の有効性の比較について、ポスター発表をさせていただきました。

  • ポスターの前での記念写真ポスターの前での記念写真

国内の医学系の学会と同様に、WGC2025でもシンポジウムや一般演題などがあり、ポスター展示や企業展示がありました。国内の眼科の学会は数度ほど参加していますが、それまでの学会ではあまり見たことのない、研究内容や社会的な課題などについて動画で発表するfilm festivalや有料のインストラクションコースやwet laboもありました。

熊本大学病院は緑内障診療を精力的に行っていることもあり、専攻医2年目であっても理解しやすいセッションも中にはありましたが、今まで聞いたことのなかった私にとって全く新しい概念もあり、大変勉強になりました。学会として公式にOKとしているかどうかはわかりませんでしたが、周りの参加者の先生方がスライドの写真を撮っていましたので、私も真似してスライドの写真を撮影でき、後々見返すには便利でした。

  • 会場のフォトブース会場のフォトブース
  • 学会会場のエントランス

大きい会場でのセッションは日本国内の学会と似たような雰囲気もありますが、全体的に質疑応答も活発なセッションが多かった気がします。また、数十人程度のレクチャー形式のセッションでは、講義の途中でも質問をする参加者も多く、日本との文化的な違いを感じました。英語でのコミュニケーションにもう少し自身があれば、他の国からの参加者のように質問などできたかなと心残りはあり、今後の課題になりました。

  • セッションの様子

遠路はるばるハワイまで来たのでせっかくと思い、有料のウェットラボにも参加してきました。

ひとつめは隅角鏡についてウェットラボでした。最初にミニレクチャーがあり、小グループでの前眼部OCTの所見についてのディスカッション、それぞれ模擬眼を使った眼内ロトミーのウェットラボの90分のコースでした。25名定員の参加者に対して、インストラクターの先生が10名ほどいらっしゃり、ロトミーをしたことのない私に対しても手厚く教えていただける環境でした。150ドルと参加費は安くはありませんでしたが、受講してよかったと感じました。

翌日にはマイクロパルスのウェットラボにも参加してみました。こちらはひとり1台、IRIDEX社のcyclo g6が用意されており、思う存分マイクロパルスを練習できるウェットラボでした。インストラクターの先生方の他に、IRIDEX社の社員も数多くサポート役をされていて、IRIDEX社の全面協力のコースでした。

  • マイクロパルスのウェットラボ

熊大眼科では入局1年目からマイクロパルスを行っていることもあり、手技そのものは熊大のプロトコール通りでした。他の参加者などと話してみると、プロポフォールを用いた鎮静下に行っているところもあるなど、国や地域による差があることを実感しました。

今回のWGCにも懇親会がありますが、学会提携のオフィシャルホテルのヒルトンのパーティー会場で開催されました。(参加費150ドルと高かったです。途上国からの参加だと割引があるみたいです。)

  • 懇親会 会場

夕陽が綺麗な時間に始まり、金曜日の夜に打ち上げられる花火も会場から見ることもできました。席は自由席でしたが、日本人の高名な先生方とたくさんお話させていただくことができました。

懇親会のエンターテインメントとして、ハワイの踊りなどが披露され、世界各地からの参加者も楽しんでいたようです。5種類くらい様々な地域のダンスや歌が披露され、中には世界チャンピオンもいたようで、ハワイ観光をここで楽しめた気がしました。

  • 懇親会のエンターテインメント
  • 次回開催地 京都の発表

開会式で発表がありましたが、次回のWGCは2年後の京都で開催、日本緑内障学会との合同開催とのことです。海外でも有名な観光地となっている京都での開催の発表とのことで、会場から喜びの声が上がっていました。日眼とほぼ連続の日程かつ平日開催と、難しいスケジュールではありますが、日本国内で国際学会に参加できる貴重な機会であり、期待が高まっています。

はじめて国際学会に参加して、世界の流れをとらえながらそれをこの熊本の地で実践できるような眼科医であり続けようと、思いを新たにしました。