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熊本大学病院
小児外科・移植外科
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研究紹介

胆道閉鎖症におけるSOX9

 胆道閉鎖症は、胎生期から周産期に胆管が閉塞し黄疸をきたす疾患で、日本では約10000人に1人発症する。葛西術により長期生存が可能となったが、黄疸遷延や肝硬変移行例は肝移植が必要となる。本疾患の病因、及び葛西術により胆汁排泄が得られた場合でも、肝線維化が進行するメカニズムは解明されていない。

 SOX9は胎生期の胆管発生を制御しており、成体では肝再生や肝線維化への関与が示唆されている遺伝子である。我々は、このSOX9遺伝子に注目し、胆道閉鎖症への関与について検討を行っている。

二光子励起顕微鏡を用いた肝虚血再灌流障害時における好中球動態の解析

 中腸軸捻転、肝・小腸移植をはじめ小児外科領域における虚血再灌流(I/R)障害の病態解明は重要な課題である。機序として好中球は生理病理学的に主要な役割を果たすが、その生体内での動態に関しては不明な点が多い。現在、肝虚血再灌流障害時における好中球に関する評価としては、主に病理学的所見(H&E染色、免疫染色)やミエロペルオキシダーゼ活性等、静的な評価が主であり、生体内で好中球はどのように振る舞い、相互作用をもたらすのか、病理学的変化に対してどのように機能するのか、投薬等の処置においてどのように反応するのか等、多くの根本的な疑問が残されている。

 本研究では新しいイメージングモダリティである2光子励起顕微鏡(TPLSM)を用いて肝虚血再灌流時の好中球動態をin vivo、real-timeに観察し、病態解析および治療への応用につなげていくことを目的とする。

肝虚血再灌流時の高倍率TPLSMイメージング

家族性アミロイドポリニューロパチーに対する肝移植とドミノ肝移植

 家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は、トランスサイレチン遺伝子の変異により引き起こされる常染色体優性遺伝の疾患であり、末梢神経障害、自律神経障害、心不全、腎不全など様々な症候を呈する。現在、家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)に対する治療法として肝移植が施行されている。また、FAP患者の肝臓は、異常なトランスサイレチンを産生する以外は正常であるため、FAP患者の肝臓を他の重症肝疾患患者に移植するドミノ肝移植が施行されている。これらに対する臨床研究を行うとともにラット動物モデルなどを用いた基礎研究を行っている。

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自施設研究

  1. 肝芽腫におけるマクロファージの病理学的組織学的組織学的解析
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多施設共同研究

  1. 原発性胆汁性肝硬変に対する肝移植後予後因子に関する多施設観察研究
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  2. 混合型肝癌に対する肝移植:予後因子と成績
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  3. 胆道閉鎖症の新たな予後因子を検討する前向き観察研究
  4. 臓器移植における抗体関連拒絶反応の新規治療法の開発に関する研究
  5. 肝移植時の摘出標本で診断された肝内胆管癌の頻度とレシピエント予後についての多施設共同研究