◇業務案内◇

○病院情報システムの企画運営

当部の最も重要な業務であり、医事課医療情報担当(8名)とともに病院情報システムの安定した稼動を遂行しています。当院内では、30以上の部門システムが稼動しており、基幹となる病院情報システムにおいてサーバーを仮想化し情報の統合連携を図ることで、外来・病棟のシンクライアント端末でもオーダー入力、検査結果紹介、退院時サマリ等の入力、医事会計計算出力などの日常業務が円滑に行えるように管理運営しています。2017年のシステム更新以降、病院情報システム内のデータはDWHに収集格納され、データ利活用のための体制を構築しています。さらに、部門システム間のインターフェースやETL、BIツールの機能強化により、業務の改善や見える化、DXの支援強化に取り組んでいます。

○病院内ネットワークの管理

当部では病院情報システムのネットワーク環境の整備・運用も行っています。2006年には病院内に光ファイバーによる高速ネットワークを敷設し、棟間までは10Gb、端末には1000Baseで接続できるようになり、高速・セキュリティーに優れ、今後の機器更新に充分に対応できるものとなっています。2021年にはファイアウォールや認証サーバーを更新し、IPS導入によりネットワークやサーバーの監視を行い、院内ネットワーク機器の安全な通信、外部からの侵入検知と遮断、情報漏洩防止対策に力を入れています。

○診療録管理

診療情報の適切な管理は、大学病院において重要な業務の一つであり、診療・教育・研究の根幹をなすものです。当部は下部組織に中央病歴室を配置し、診療情報管理士を含めた18名の職員が退院時サマリや説明同意書等の文書類、保険診療上必要となる記録、及び医療安全に繋がる記録など、記録の量的・質的監査を実施しています。また、当部と中央病歴室は「診療録等記載マニュアル」の適宜改訂において中心的な役割を担い、医事課医療情報担当や診療報酬指導室、医療の質・安全管理部の院内関係部署と協力連携し、学生や教職員への教育指導および適切な診療録管理体制の整備を行なっています。中央病歴室の組織内にはスキャンセンターが設置され、院内外で発生した紙媒体の文書類を監査のうえで電子化し、電子カルテ内に診療録として保存する業務が支援されており、診療録の適切な管理に貢献しています。

○院内がん登録

熊本大学病院では、2006年8月1日から「院内がん登録」を開始しています。また同年8月24日には「都道府県がん診療連携拠点病院」に指定され、「熊本県がん診療連携協議会」の中心的役割を担っています。この協議会には5つの部会が設けられ、当部は「がん登録部会」における核となる活動を担っており、院内のがん登録に関わる業務のほか、熊本県全体の院内がん登録の状況把握、精度向上、がん登録情報の収集解析、一般並びに医療従事者への情報還元などの取り組みを、がん登録センターの院内がん登録実務診療情報管理士と行っています。また、県内のがん診療の均てん化に向け、① がん登録情報の収集・解析、実務者研修、② がん対策事業関連会議の開催、③ がん診療における地域連携パスの作成・運用、④ 医療従事者に対する研修の拡充・促進、⑤ 個々のがん症例の検討会などの活動を支援し、実務者へがん登録関連の定期的な情報交換を行い、がん登録を強力に推進しています。