熊本大学大学院生命科学研究部 乳腺・内分泌外科 講座 患者さま・一般の皆様へ 医療者・医学生の皆様へ

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乳癌にかかりやすい方のDNA配列の亜型の謎を解く
~エストロゲンレセプターとその近傍の未知の遺伝子~


はじめに

乳癌の発生・進展には女性ホルモンであるエストロゲンを中心とする性ステロイドホルモン代謝・作用が深く関与しています。近年、エストロゲンレセプター遺伝子の近くに、乳癌にかかりやすくなる配列があることが明らかになりました。この配列の場所は、エストロゲンレセプターとその上流の未知の遺伝子(CCDC170)の間に位置し、機能が不明な箇所です。これらのDNA配列や未知の遺伝子が、乳癌の患者様の腫瘍ではどのような特徴を示すのかを検索しました。

対象

本研究は、2001年から2008年に当院にて乳癌の治療を受けられた患者様の乳癌組織と、正常乳腺の組織を使用しています。

研究内容及び結果

DNAの亜型のうち、最も乳癌になりやすいと報告されていた型(rs2046210)を腫瘍に持っている患者様は再発しやすい傾向にありました。また、CCDC170の発現が高い腫瘍では再発の可能性が高くなるという知見が得られました。

医学上の貢献

DNA亜型やCCDC170がどのようにして乳癌へのかかりやすさに関与しているのか未だに解明されていませんが、すくなくとも既に乳癌にかかられた方の治療耐性に関係しているということが示されました。今後の機構解明が期待される領域です。

研究対象者の方へ

本研究の実施過程及び、学会や論文等で結果を公表する際に、患者様を特定できる情報は一切含まれておりません。

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