2015年度の患者数は初診患者数3,309人、再診患者数17,756人、外来患者総数は21,065人であり、口腔癌患者は115人の受診があり、早期診断、早期治療開始を目指し、外来において可能な限り、初診時に生検を実施しております。また、患者様の負担軽減や早期治療開始に向けて、高齢や他の疾患を抱えた患者様、遠方からの患者様を中心に検査入院も積極的に導入しております。さらには昨年度より、がん相談支援センターのスタッフが早期より口腔癌患者を支援するシステムを構築致しました。がん相談支援センターにはがん看護専門看護師およびソーシャルワーカーが在籍しており、当科へ口腔癌患者が来院されますと、早期から精神面へのサポートはもとより、社会面、経済面での様々な支援制度の提案などを受けることができます。患者さんが安心して治療に専念できる体制を整えることができ、がん診療連携拠点病院としての役割を果たすべく、様々な職種と連携したチーム医療の体制が整っております。

　当科の病床数は東病棟10階（医師控室、歯科治療用チェアー2台を有する歯科処置室、当直室完備：泌尿器科との混合病棟）に26床（平成28年12月1日より）となっています。

　また、病棟業務に携わる歯科医師は、12〜13名前後で病棟専従スタッフとして診療にあたっています。病棟には専属の病棟薬剤師も配置されておりより細やかな対応をして頂いております。

　手術日は特に設けられておらず、毎日1〜2件の全身麻酔下での手術を行っており、再建も含めた大がかりな悪性腫瘍の手術から、良性腫瘍、顎変形症、嚢胞、炎症、外傷や、入院局所麻酔下手術（1泊2日）や、入院下での静脈内鎮静併用の手術（1泊2日）も積極的に行っています。さらには悪性腫瘍の患者様を対象に早急に術前の診断を行い、より早く治療を開始出来るよう、検査入院のシステムも稼動しています。障害を有する患者さんの全身麻酔下歯科治療も熊本県歯科医師会口腔保健センターや紹介医の先生方と連携をとりながら取り組んでいます。侵襲の大きな術後の患者さんはＩＣＵ、ＨＣＵでの術後管理も積極的に行っており、より安全な術後管理が行えるようになっています。

　年間の入院件数は平成27年度実績で8478名、中央手術部での手術件数は219件でした。

　口腔の専門家である歯科医師として、退院時には患者様が安心して口から食事が出来る状態で笑顔で退院して頂くのが私たちの使命です。今後とも最大限の努力をしていく所存ですので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

過去5年間の患者動向

悪性腫瘍の手術件数