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口腔内環境が全身の健康に及ぼす影響に関する研究

 近年、腸内や口腔内に生息する細菌が全身の健康に影響を及ぼすことが知られるようになってきました。当教室でもこれまで、特定の歯周病菌が急性心筋梗塞、冠動脈疾患、動脈硬化症、および高血圧症などの循環器疾患に関連するという研究結果を、循環器内科学教室と共同で報告しています(Hanaoka et al, Hypertens Res, 2013 ; Oe, Heart and Vessels, 2009 ; Soejima, Int J Cardiol, 2009)。

 一方、口腔内細菌の種類と構成バランスが全身のどのような病気に深く関わっているかについては、まだ十分には解明されていません。そこで私たちは現在、九州大学大学院歯学研究院口腔予防医学分野との共同研究により、口腔内のサンプルを分子生物学的に解析し、口腔細菌叢と全身疾患との関連性についての研究を行っています。特定の口腔細菌が口腔がんの悪性度に及ぼす影響についても解析を進めているところです。

歯周病と循環器疾患との関連性についてのイメージ

歯周病と循環器疾患との関連性についてのイメージ

 また当教室は、AMED日本医療研究開発機構・認知症研究開発事業の指定研究「健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究」の一翼を担う「健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究」に参画しています。同研究では、熊本県荒尾市在住の65歳以上の住民約1,500名を対象に、認知症とうつ病を中心に、脳血管障害や糖尿病などの生活習慣病や頭部MRI撮影を含む高齢者健康調査を行い、前向き追跡調査を実施しています。本コホート研究では、調査対象者の歯周病やう蝕などの歯科疾患調査に加え、口腔衛生状態や口腔乾燥状態をチェックし、唾液サンプルを収集しています。現在、さまざまな臨床データと唾液サンプルを活用した新たな調査研究を進めているところです。

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