患者さん・ご家族の方へ
がんと診断された方へ
患者さんへ
生命を脅かすことに直面したときに、「頭が真っ白になった」と表現される衝撃が起こります。その後は、自分はがんではない、という認めたくない否認の気持ちがでてきます。他にも、もうだめだと絶望感や怒りを表出することもあります。このような気持ちを上手に使って、心のバランスを保とうとします。眠りにくくなった、食欲が低下する、イライラするなどの症状もみられます。症状がつらいと感じた時は、医師や看護師に相談しましょう。
- もっと詳しく知りたい方へ
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国立がん研究センター がん情報サービス
がんと診断されたあなたに知ってほしいこと
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/anatani_shitte_hoshiikoto/index.html
ご家族様へ
家族の誰かが、がんになることは家族の心にも様々な負担がかかります。がんの患者さんを抱える家族には、患者さんと同じかそれ以上の、不安やゆううつな気持ちが認められることもあります。家族は患者さんを支える立場でありながら、患者さんと同じかそれ以上の気持ちがでてくることがあるので、第2の患者でもあることを知っておいてください。
家族が自分自身も大切にすることが必要です。心身をリフレッシュする方法をもつことが大事です。自分の時間を持つようにすることが大切です。人と交わる、もしくは人と離れ、音楽や読書など自分が好むことを取り入れてみましょう。
お子様への対応
子育て中の患者さんにとって、自分の病気や治療の事実を、お子さんにどう伝えるかということも重要な問題の1つです。実際に話す前に、伝えたいことを書き出したり、お子さんの反応を予想してみることも良いでしょう。
KNIT(Kids Need Information Too)プログラムではお子さんに伝える時には3つのCが重要と考えています。
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- 誰のせいでもない(not Caused)
- がんという病気は、誰のせいでも、何かをしたから、あるいはしなかったからなるわけではないことをきちんと伝えましょう。お子さんが自分のせいだと思い込まないようにしてあげましょう。
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- がん(Cancer)という言葉を使ってみましょう
- 病気という曖昧な表現は、子ども独自の考えや想像が働き、より大きな不安や混乱をきたすことがあります。がんという言葉を使って、風邪のようにすぐ治る病気とは違うことを知らせることも大です。
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- 伝染しない(not Catchy)ことを伝えましょう
- 正しい情報を知らないと、治療の影響で脱毛が起こった時に、「自分も病気をしたら髪が抜けるのかなと」と病気を恐れることもあります。風邪と違い、伝染しないとはっきり伝えることが大切です。
お子さんに、がんのことを話すときに、気持ちが揺れるのは当然のことです。看護師や臨床心理士、医療ソーシャルワーカー、がん相談支援センターの相談員などに相談してみましょう。
- もっと詳しく知りたい方へ
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「ホープツリー」 がんになった親を持つ子どもへのサポート情報サイト
https://hope-tree.jp/
ライフステージ別の支援
小児がんの方への支援
当院は小児がん連携病院に指定されており、小児がん患者の晩期合併症や移行期医療に対応するために、長期フォローアップとともに、必要に応じた適切な医療を提供することができる病院です。当センターは九州・沖縄ブロックの拠点病院である九州大学病院のがん相談支援センターと連携し、長期フォローアップ外来の相談窓口の役割も担っています。
- もっと詳しく知りたい方へ
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九州大学病院小児がん拠点病院
小児がん相談支援センター
https://childccenter.med.kyushu-u.ac.jp/general/support
AYA世代(15歳~39歳)の方への支援
思春期・若年成人をAdolescent and Young Adult(AYA)世代と呼びます。
この世代は、進学・就職・結婚・出産など様々なライフイベントがある世代であり、がん治療を行う場合は年齢に応じたサポートが必要となります。
- 妊孕性温存に関すること
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熊本大学病院 生殖医療・がん連携センター
https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/oncofertility/index.html
- 治療や生活に関すること
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国立がん研究センター がん情報サービス
AYA世代の方へ
https://ganjoho.jp/public/life_stage/aya/index.html
働き世代の方への支援
現在の日本において、生涯にがんに罹患するリスクは2人に1人と言われています。その中でも増えているのは、働きざかりの年代です。がん患者の3人に1人は就労可能年齢で罹患しています。
高齢者の方の支援
高齢化に伴い、がん患者における高齢者の割合も増加しています。高齢のがん患者は、複数の併存症を持っている割合が高く、がん治療により合併症が発生しやすい、副作用が遷延しやすいなどの傾向があります。そのため、治療中・治療後の生活の質(QOL)の低下が予測されます。単身者や老老介護をしている方も増えており、住み慣れた地域で生活できるように地域の医療・介護・福祉・事業所と連携してサポートしています。