研究テーマ

I.腎機能障害に伴う病態進展因子群と薬物動態変動に関する基礎・臨床研究
I-1. 急性・慢性腎不全時における分子標的薬の体内動態変動機序の解析
I-2. 心腎連関ファクターとしての低分子型尿毒症物質の役割解明と治療薬探索
I-3. 白金系抗癌薬の腎毒性発現機序並びに遺伝的要因の臨床的究明
I-4. 腎線維化を制御する分子メカニズムの解明
II.癌の病態解析とバイオマーカー探索および新規治療法の開発
II-1. 口腔癌、乳癌、脳腫瘍、骨肉腫、肺癌の病態解明ならびに新規治療法の確立に向けた研究
II-2. 抗がん剤に対する薬剤耐性獲得メカニズムの分子生物学的解明
II-3. 新規腫瘍バイオマーカーの開発並びに分子標的治療薬の開発を目指したターゲット分子の探索
II-4. 腫瘍抑制遺伝子と相互作用する分子の網羅的解析
Ⅲ.化学療法薬の体内動態インフォメーションに基づく個別投与設計法に関する研究
Ⅲ-1. 抗癌薬のPharmacokinetics (PK)/Pharmacodynamics(PD)/Pharmacogenetics(PG)に関する臨床研究
Ⅲ-2. 抗癌薬の体内動態制御・相互作用に関わる代謝酵素・トランスポータ群の機能探索
Ⅲ-3. 新規HIVプロテアーゼ阻害薬の体内動態制御機序に関する研究
Ⅲ-4. iPS細胞を活用した薬物の体内動態制御機序の評価系の確立

研究目標

1:研究フィールド

 ヒトにおける薬物の体内動態制御を評価するために、ヒトを対象にした臨床研究だけでなく、それに関連した詳細な機構解明についても行っています。 動物実験、培養細胞系、遺伝子発現系までを対象として様々の手法で解析を行っています。 特に、多くの薬物排泄に関与する腎臓機能を解明し、生理学的および薬物動態学的意義について解析を進めています。

2:研究手法

 薬物トランスポータや代謝酵素群の遺伝子発現レベル解析には、ABI PRISM 7900を用いています。 PK study解析では、WinNonlinを用いた解析を行います。血液中や組織中の薬物定量は、主にHPLCを用いて解析しています。また、必要に応じて原子吸光法、MS(質量分析計)などを用いることもあります。薬物動態の個体差に影響することが想定されるトランスポータ群の機能を解明するために、各種培養細胞系、遺伝子導入による強制発現細胞等を用いた実験を行っています。

3:目標

 臨床現場(Bedside)を常に意識しながら基礎研究(Bench)を行い、相互を連携しながら、医療薬学の発展を目指しています。 医薬品の特性と生体側の個人差の情報を収集解析することで、患者個々に合わせたテーラーメード医療が可能となり、最適な薬物療法の構築に貢献できると考えます。 医薬品適正使用推進のためにも基礎研究が重要と考え、バランスが取れた研究を心がけています。

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