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生体肝移植の必要な肝臓病

生体肝移植の必要な肝臓病

肝移植の必要な肝臓病はさまざまです。
例えば、小児における胆道閉鎖症や成人の原発性胆汁性肝硬変といった胆汁うっ滞性疾患、B型肝炎、C型肝炎に代表される肝硬変疾患、成人の肝癌、小児の肝芽腫といった腫瘍性疾患、熊本の地に多い家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)やウイルソン病といった代謝性肝疾患、そして劇症肝不全などがあります。
肝硬変や劇症肝不全には原因のわからないものも数多くあります。また、これらの疾患以外にも、たくさんの種類のまれな肝臓病に苦しむ患者さんが、肝移植によって命を救われたり、快適な日常生活をとりもどすことが出来たりしています。


(画像をクリックすると大きな画像が表示されます。)

 

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平成16年より、ウイルス性肝炎などの成人の非代償性肝硬変、劇症肝不全などが保険適応に追加され、成人症例の飛躍的増加がもたらされることになりました。一方で、肝芽腫、進行肝癌などまだ保険で認められていない病気もありますので、場合によっては自費の診療を余儀なくされることもあります。特に小児の肝芽腫については肝移植の成績が悪くないことから、学会からも厚生労働省に保険適応化を働きかけているところです。(※2008年4月より保険適応となりました)


ドミノ肝移植について

熊本県と長野県に特異的に多い家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)という病気があります。この病気は肝臓が異型トランスサイレチンという異常なタンパクを合成し、それがアミロイドという重合体を形成し、そのアミロイドが多臓器に沈着し臓器障害をおこし死に至るという病気です。
現在のところ、肝臓移植が唯一の治療法とされていますが、肝臓は異型トランスサイレチンを生成する以外にはその他の機能は全く問題ありません、そこで、肝移植時に本来は捨ててしまうこの肝臓を、ドナーのいない重症肝不全の患者さんに移植をして救命しようとするのがドミノ肝移植です。 第一、第二レシピエントと順番に移植を受けるというころがドミノ倒しに似ているのでそう呼ばれています。長期的には第二レシピエントがFAPを発症する可能性があるという問題があります。

 

外見も全く正常な肝臓と変わらないFAP肝