基本ルール
治験責任医師の役割
- 治験責任医師は、治験の実施医療機関において治験の実施に関して責任を有し、治験に関わる業務を統括する医師又は歯科医師です。
- GCPにおいて、教育・訓練及び経験によって治験を適正に実施しうることや、GCPを熟知し遵守することが要件とされます。
同意取得に関して
- 同意取得は、治験審査委員会で承認された治験責任医師・分担医師のみが実施できます。
- 同意取得前に治験の検査はできません。治験実施計画書に特別な規定がない限り、同意取得前の臨床検査値などのデータは使えない事になっています。
- 同意取得前に、治験参加を目的とした併用禁止薬のウォッシュアウトはできません。
- 小児の治験の場合、代諾者の同意(署名)が必要です。
また、対象となる児には、年齢や状況に応じた説明をし了解を得ます。(インフォームド・アセントの取得)
カルテ記載のルール
- ALCOA原則
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重篤な有害事象(SAE:Serious Adverse Event)の基本ルール
注:治験ごとに報告内容や方法が異なりますので、治験ごとの確認が必要です。
- 重篤な有害事象の定義
- 死に至るもの
- 生命を脅かすもの
- 永続的または顕著な障害・機能不全に陥るもの、又は先天異常を来すもの
- 入院または入院期間の延長が必要なもの
- 過量投与に伴う有害事象
- その他の医学的に重要な事象
- 重篤な有害事象発生時の対応
- 因果関係の有無に関わらず、24時間以内に治験依頼者へ報告が必要です。
対応
夜間休日の対応について
- 当直医師による対応となります。速やかに治験責任医師・分担医師へ連絡して下さい。
- 測定禁止の検査項目や併用制限・禁止薬があるので、十分な注意をお願いします。
- 時間外の対応後は、翌日にCRCへご連絡ください。
他科診療時の対応について
- 詳細についての情報や、併用禁止薬などの確認が必要となります。CRCへご連絡ください。
*併用禁止薬の使用により、治験中止となる場合もあります。ご協力をお願いいたします。 - コンサルテーションシートには、治験中であることの記載もお願いいたします。
治験薬の処方について
- それぞれの治験の責任医師・分担医師のみオーダーすることができます。
また、院内処方のみ対応しています。
医療費の負担について
- 初診料、再診料、治験薬以外の薬代に関しては、通常診療と同様に患者負担となります。検査代、画像診断費用や入院費などは、それぞれの治験で契約内容が異なります。詳細は担当CRCへご確認下さい。
他院受診時の対応について
- 受診の詳細についての情報が必要となります。
- 診療情報提供書による詳細情報の入手にご協力をお願いします。
各種トレーニングとパスワード管理について
- 治験責任医師は、各治験ごとにGCPやEDC等の各種トレーニングが必要な場合があります。その場合、トレーニングを終了して初めてEDCの入力権限が取得できます。ログインするためのID及びパスワードは各自適切な保管・管理をお願いします。
- パスワードの共有や入力代行は重大な違反行為となります。治験が中止となることもありますので、絶対に行わないようにお願いします。
参考文献
1)石橋寿子:臨床で役立つ治験のいろは,株式会社メディカ出版、2008
2)日本臨床薬理学会(編),中野重行,他(責任編集):CRCテキストブック,第3版,医学書院,2013
3)楠岡秀雄,井上通敏(監修):治験 あなたの疑問にお答えします,日本製薬工業協会,2013
4)公益社団法人 日本医師会 治験促進センター:治験ってなんだろう?! ,2013