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当院プログラムの研修医がNHKのTV番組
「総合診療医ドクターG」(10月29日(木)放映)に出演しました。



当院プログラムの研修医がNHKのTV番組「総合診療医ドクターG」に出演しました。

放映日時:平成27年10月29日(木)22:00~
テーマ:「高熱で苦しい」

「総合診療医ドクターG」体験記  香田将英
熊本大学大学院医学教育部柴三郎プログラム2期生
熊本大学大学院生命科学研究部公衆衛生・医療科学分野博士課程2年
熊本大学医学部附属病院初期研修医2年目 プログラムC


この2年間の初期研修を振り返って、2年の初期研修期間中に色々な医療機関を回ることができたことは、大きな学びでした。最初の1年間を、JCHO人吉医療センターで研修をしたほか、奄美群島の病院・診療所(2年目9月)、さらに今年度(平成27年度)から地域医療実践教育拠点となった公立玉名中央病院(2年目8月、1月、2月)など、多くの協力病院で研修を経験しました。大学病院ならではの専門的な学びに加えて、地域医療や総合診療など、様々なフィールド・診療科を経験することができました。最初の2年間という頭の柔らかいうちに、手技だけでなく、物事について深く考えながらマネジメントする力が身につけられたと思っています。

また、この2年間の間にテレビ出演させていただく機会もいただきました。学生の頃から御世話になっていた、JCHO本部総合診療教育チームリーダーである徳田安春先生に、JCHO人吉医療センターでのご縁もあり、お声かけいただき、NHK総合「総合診療医ドクターG」に研修医(回答者)として、僭越ながら出演させていただきました。討論は真剣勝負、登壇されるドクターGも当日会場まで知らされることはありません(私の回は国立国際医療研究センター国際感染症センターの忽那賢志先生でした)。番組自体は50分の構成ですが、当日の収録・カンファレンスは約6時間に及びました。この番組は、「病名推理エンターテイメント」と冠言葉が掲げられていますが、この番組の狙いは3つあると言われています。①:『診断推論に見られる医学の不確実性は医者だけが理解しておくべきものではなく、一般の人々にも広く共有していただきたい事実だということです』。②:『診断推論における病歴聴取の過程は患者の主体的な参画なしにはありえず、そこでの医者と患者の双方向的なコミュニケーションは癒しの端緒でもありうるという密やかな矜持です』。③:『愛想よく、よくはやっている開業の「中医」が勉強不足のために誤診してしまい、「小医」以下の存在しかないことがけっこうあるという逆説です。自分では気づかないため改善されることが少ない困ったものです』(書籍:「医者は病気をどう推理するか」/NHK「総合診療医ドクターG」制作班 より引用)。ただ、「総合診療医ドクターG」というタイトルによって、お茶の間には「総合診療=病名推理」というイメージが付きそうですが、そのイメージは必ずしも正しい認知ではありません。医療者を含め、一般市民の方には、ぜひ他の面も含めて理解してほしいと、私は思っています。2017年から新専門医制度が始まり、「総合診療専門医」が基本診療科の中に入ってきます。「病名推理」に加えて、下記のようなイメージも、ぜひ頭の中に加えていただけたら幸いです。①:あらゆる心身の不調の相談に乗り、適切な時に適切な医療者を紹介する。②:継続的で患者を中心に据えたケアの提供。③:無駄な医療行為を避けながら、重大な疾患を逃さない優れた臨床能力。④:生活や地域の目線を持った包括的な医療。⑤:優れたコストパフォーマンスの実現への努力。⑥:患者を「人」としてバランス良くサポートする全人医療。本当は、上述の「イメージ」について発言して、番組(お茶の間)に一石を投じる覚悟だったのですが、本番は緊張しすぎてしまい、全くその内容に触れることができませんでした。番組の反響もあり、病院内外で色々な方にお声かけいただく機会も増え、ことあるごとに大変貴重な機会をいただいたと実感しております。

最後になりましたが、この場をお借りして、この2年間、関わらせていただきました指導医、医療スタッフ、患者さん、そして各所関係者の皆様へ御礼申し上げます。

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