研修だより / 研修医 インタビュー

研修医 インタビュー

藤井 綾香 先生

令和4年度研修医
熊本大学出身
藤井 綾香 先生

Q1.初期臨床研修先に熊本大学病院を選んだ理由は?

 一番大きな理由としては、柴三郎プログラムに参加したいという思いがあったからです。もともと研究に興味があり、熊本大学在学時から研究室へ通っていた縁もあったので、そのまま柴三郎プログラムで研究を進めていきたいと思い、熊本大学病院を選びました。また、私の代から「自由設計コース」に変わって、どのようなものか興味があったのも理由の一つです。

Q2.研修を始める前のイメージと現在の実感は?

 学生実習で大学病院内を回ったときは、大学病院の研修医がどのように過ごしているのかよくわかっていませんでした。また大学病院には若手の先生も沢山いるので、研修医が多くの経験を積むことはできないのではないか、学生実習と変わらないのではないかと思っていました。しかし、実際に研修を行ってみると、科によって教育体制や指導の方向性は多少異なっていますが、研修医に任せてもらえる場面が多いです。もちろん上級医の先生が一緒についてくださいますが、自分がメインとなって診療を行うことも多く、意外と自分で出来る部分が多いと思ったのが、大きなギャップでした。

Q3.自由設計コースの魅力

 私の場合は2年間の大学病院での研修のうち、1年目の10月から3ヶ月間だけ済生会熊本病院で救急外来研修を行いました。熊大病院だけでは診れない部分を、外の病院で研修出来た点が良かったと思います。済生会熊本病院での研修期間中は、熊本中央病院など他の病院からも研修医が来ていて、刺激をもらえ、知り合いになれたので、3年目以降働くときに助け合えるのではないか、と思います。

Q4.熊本大学病院のいいと感じた点は?

 大学病院での研修は、日々の業務を急かされることはあまりなく、検査結果等も上の先生と一緒に確認できます。鑑別のポイントや、診療のフィードバックをしっかり時間を取って指導してもらえるところはいいところだと思います。また、大学病院は一つの症例でも様々な合併症を伴うことが多く、難しい症例が経験できるため勉強になります。

Q5.仕事とプライベートの時間について

 研修は定時の8:30~17:15の間に終わることがほとんどです。当然手術があるような科はそれに応じて終業時間が延びることがあり、朝のカンファレンスがある場合は少し早く出勤するのですが、自分の時間もしっかりとれています。私は柴三郎プログラムに参加しており、研究室の仕事もあるのですが、研究の時間は十分ではありませんが焦らずゆっくり進めています。臨床も研究も両立しつつ、プライベートの時間も確保できていると思います。

Q6.熊本大学病院の指導医の先生について

 上級医の先生からだけでなく、若手の先生から教えていただく場合もあります。若手の先生は年が近いということもあり、些細なことでも質問しやすく、検査や手技に積極的に呼んでいただけるのでありがたいです。また、上級医の先生からは専門的なことを教えていただけます。例えば症例を見る上での留意点や症例に応じた検査など、その診療科に進まなくても自分の将来を考えたアドバイスをうけることが出来、ありがたいなと思います。

Q7.専門医プログラムを考えるにあたって、大学病院の研修とは?

 自由設計コースを選択しているので、2年目の後半は自分が進みたい科を多めに研修できます。またそのようにプログラムを組めば入局後の3年目以降にスムーズに繋げやすいと思います。大学病院には難しい症例も多いため、内科に進むのであれば、専門医取得に必要な症例も経験しやすいと思います。

Q8.柴三郎プログラムを選んだ理由は?

 高校生の頃から医学研究に興味があり、大学1年生の頃に偶然今の研究室の先生とお話ししたのを機に、研究室に通うようになりました。実際に研究をやってみると、新しく学ぶことばかりですごく面白く感じたので、大学院の課程と初期研修を並行して行いたいと思いました。

Q9.柴三郎プログラムを選んで良かったことは?

 研究室で論文を読む機会がありデータの読み方には慣れていたため、臨床の抄読会で自分が論文を読む場合や、他の先生が提示するデータを解釈する際にその経験を活かせていると思います。また、研究で得られた視点により、臨床現場で実際の患者様の所見やデータを解釈して次の検査を考えることや、このような検査により診断の特異性が上がるのではないかと考えることが出来るので、視野が広がったと思います。

Q10.医学生へのメッセージ

 自由設計コースにより色々な外病院を選択できるようになったので、自分の興味がある診療科が強い外病院を選び、大学病院では専門的な知識を身につけることが出来るので良い研修コースだと思います。また、研究に興味がある人は柴三郎プログラムに参加すると良いと思います。研究のために多くの時間を割ける訳ではありませんが、研究と臨床を並行して行い、少しでも早く大学院の課程を進められるのは良いと思います。熊本大学病院でお待ちしております。