熊本大学医学部附属病院群臨床研修医 2年次 本里 健一郎
2011年3月11日に発生した東北地方大震災において、今回、災害派遣チームの一員として石巻赤十字病院を中心とした被災地支援活動に2011年4月9日~13日の5日間参加させて頂きました。
上記のスケジュールで支援活動を行いました。4月10日は、3月18日から我々熊本大学が支援してきた牡鹿半島の全避難所12カ所を巡回しました。聞き取り調査および挨拶回りが主となり診 療行為は数人のみ行いました。未だライフラインは確立していないところもあり、公衆衛生上の問題はあるものの、疾患も風邪等の軽症の内科的疾患が主で、医療のニーズは少なくなってきていると思いました。しかし、家族を失った方も多数おられ、また、現在の生活がいつまで続くのか等の今後の不安を抱えられている方も大勢いらっしゃることより今後は精神的なケアも重要な課題となってくると考えます。
4月11日は石巻日赤病院の救急外来のお手伝いをさせて頂きました。我々は日勤帯を担当させて頂きましたが、その間救急車での搬送が12台、それに加えwalk inの患者様も多数来院されていました。未だに、交通外傷や避難所からの発熱および呼吸障害、瓦礫のあと片付け中の外傷などの震災関連の急患が目立っている印象があり、軽傷~重傷まで幅広い疾患の診断と急性期の治療について勉強させて頂きました。石巻日赤病院の医師の方々も我々に対して好意的であり、基本的な事から優しくご享受して頂きました。
4月12日は、弘前大学医学部附属病院の方々と一緒に河北地方の避難所を巡り、救援活動を行いました。午前は河北のビッグバン、午後は飯野川中学校にて診療行為を行いました。診療スペースを設置し外来診療を行い、谷口Drや弘前大学のDrの診療を拝見し、勉強させて頂きました。また、ビッグバンが500人以上、飯野川中学校が200人以上と大人数の避難所であり、診療スペースまで来られない方も多数おられたため、呼びかけや往診を行い、現在の悩みや今後の不安についても色々な話をして頂きました。今回で派遣終了との事であったため12日は診療を早めに切り上げ、撤収作業を行いました。
東北地方大震災の現場で被災地の方々と接し、気持ちを知ることで、現実にこのような事が日本で起こっており、被災地の方々は未だにたくさんの不安を抱えていることを考えると今も胸が痛いです。今回の5日間で自分の無力さを知り、また、今の自分が被災地の方々に対して何ができるのかを考えさせられましたが、今回、研修医でありながら被災地救援活動に微力ながらも尽力できたことをとてもうれしく思い、今後の自分にとって大きな糧にしていこうと考えています。
以上簡単ではございますが報告および感想とさせて頂きます。
最後に今回の震災で亡くなられた方々にお悔やみ申し上げるとともに、被災地の復興を心より願っております。