患者様へ

肝移植の手引き

4.日常生活について

1) 拒絶反応、感染症、薬の副作用などをできるだけ早く発見するためにも以下のことに気をつけてください。

  1. 体温を1日1回測りましょう。
  2. 便、尿の回数や性状を観察しましょう。
  3. 退院時に胆管チューブに袋が付いている方は、胆汁の量を1日1回測り、色なども観察しましょう。
  4. 胆管の刺入部の消毒は週2回程度ですが、汚れたりした場合はその都度行なってください。
    また、長期にわたり管を入れているため、切れて胆汁が管の脇から漏れることやとめていた糸が取れることがあります。こういったときはご連絡下さい。
    袋の交換の目安は2週間に1回ですが、汚染が激しい場合や破損した場合は、外来受診の時に交換をしてもらってください。

2) 規則正しい生活をしましょう。

 生活のリズムを整え、朝寝坊、夜更かしをさけ、散歩や食事の時間など1日のスケジュールをある程度決めると良いでしょう。


3) 運動、外出について

 退院後は病院にいる時に比べ、体力がなく疲れやすくなったように感じるかもしれません。しかし、体力は徐々についてくるものです。はじめは、家の中での運動の範囲をすこしずつ広げることからはじめ、徐々に散歩などおこなうようにしていくと良いでしょう。
 大勢の人と接する機会の多いところではそれだけ病原体を周囲からもらってくる恐れがおおくなります。退院後しばらくは人ごみを避けましょう。外出の時は移植後6ヶ月はマスクをつけてください。 温泉、プール、海水浴は移植後1年経ってからが望ましいです。他、スポーツを始められるときは医師に相談して下さい。


4) 仕事について

 仕事や運動で制限が加わることは、移植肝機能に問題が無い限りありません。無理しないほうがいいと同時に、決して移植後だからと横になっていてばかりでは体にとってもよくありません。仕事内容や運動量によって違ってきます。回復には個人差がありますので、外来受診の際に主治医にご相談下さい。お子さんの学校での運動制限についてもよく質問を受けますが、鉄棒、水泳、マラソンなども含め、出来るものはやっていけない理由はありません。先生が懸念を強く持たれるようなら、手紙や口頭で説明をいたしますのでご相談ください。


5) 感染予防について

 拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤を内服しています。このため病原菌からの感染も受けやすくなっています。特に免疫抑制剤の投与量が多い術後早期(約半年)は注意が必要です。この時期は感染予防として外出する時はマスクを着用して下さい。また手洗い、うがいを忘れずに行って下さい。ご自身だけでなく、ご家族や訪問者にもしていただくようにしてください。

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