緩和ケアセンターの紹介

センター長あいさつ

 皆様も御存知のようにがんに対する医学・医療の進歩は目覚ましいものがあり、今後もますます発展していくのは間違いないでしょう。しかし、がんをはじめ生命を脅かす疾患には様々な身体の苦痛に加え、不眠や不安などの気持ちの辛さ、あるいは家族や仕事への影響や治療に掛かる費用など、病気そのもの以外にも人々の生き方を左右する心配事が少なくありません。このような大病の治療・療養という重荷を背負った方々に対し、あらゆる職種がチームとして応じていくのが「緩和ケア」です。つまり、「緩和ケア」とは「病気に伴う心と体の痛みを和らげること」と言われています。

 熊本大学病院は国が指定する熊本県がん診療連携拠点病院としての責務を充実するために、2014年9月17日に熊本大学病院緩和ケアセンターを開設しました。がん診療の中でも、緩和ケアは国が特に力を入れて推進している領域のひとつです。また、対応する領域はがんのみならず循環器疾患にも広がりを見せており、当院緩和ケアセンターは熊本県の緩和ケアの普及・啓発・充実を担う拠点としての活動を継続しています。緩和ケアチーム・緩和ケア外来としての院内診療はもちろん、在宅医療・地域連携との情報共有や医療者や一般県民の方々を対象とした情報提供や教育活動にも力を入れています。

 これからも熊本県における緩和ケアの更なる発展に寄与することで、県民の方々の日常生活を支えていきたいと思います。様々な苦痛・悩み事でお困りの方々あるいは医療スタッフの皆様、遠慮なく当院緩和ケアセンターにご相談ください。今後とも、皆様のご支援・ご協力を心からお願い申し上げます。

令和2年5月
緩和ケアセンター長 吉武 淳