看護師のための導尿シミュレーション教育
概 要
平成19年度95人の新規採用者に新人看護実践能力(看護技術)の調査を行った。結果、導尿を一人でできると回答した新人は20人で、未見学者が25人であった。当院では、重症、急性期の患者及び手術件数も多く年間約6400個以上のフォーレカテーテルを使用しており、導尿の看護技術は必要不可欠である。そこで患者に安全な技術を提供するため、導尿の技術を習得することを目指している。
対 象
新人看護師(希望者)、導尿技術未経験者で希望者及びスタッフナース(希望者)
研修習得内容
尿フォーレ留置の技術を習得し、患者に安全な技術を提供できる
- 医療安全の確保
- 安全確保対策の適用の判断と実施
→準備、環境設定
- 事故防止に向けたチーム医療に必要なコミュニケーション
→施行時先輩ナースに確認、指導依頼
- 適切な感染管理に基づいた感染防止
→無菌操作方法の理解と実施
- 患者及び家族への説明と助言
- 導尿に関する患者への十分な説明と患者の選択を支援する働きかけ
- 家族への配慮や助言
- 的確な看護判断と適切な看護技術の提供
- 知識と根拠に基づいた看護技術の必要性の判断
→導尿の必要性の理解
- 看護技術の正確な方法の熟知とリスクの予測
→正確な手順の理解、導尿によるリスクの回避
- 患者の特性や状況に応じた看護技術の選択と応用
→性別、年齢や状況を判断した導尿の技術を選択
- 患者にとって安楽な方法で看護技術の実施
→手順の熟知、挿入時の苦痛軽減
- 看護計画の立案と実施した看護ケアの正確な記録と評価
→実施内容、排泄物の観察と記録
以上の内容は、厚労省新人看護職員臨床実践能力看護技術を支える要素に準拠している。