患者様へ

肝移植の手引き

2.どのような病気が生体肝移植の対象になるのか

 原則として、すでに記した「肝臓移植を必要とする病気」に該当する病気はすべて生体肝移植の対象になります。今まで生体肝移植を行われた病気の一覧について、全国での集計と熊大病院の統計を図5〜7で示します。

小児:
  • 胆汁が肝臓から出て行きにくくて、黄疸をきたし、肝硬変となった病気
     胆道閉鎖症、バイラー病、アラジール症候群、原発性硬化性胆管炎、カロリ病など。原因不明な場合もある
  • 先天的に肝臓を中心とした代謝機能に異常がある病気
  • 劇症肝不全
  • 肝臓の周りの血管の異常(バッドキアリ症候群)
  • 肝臓の悪性腫瘍で、肝臓外に転移が無く、かつ通常の肝切除では切りとれない状態のもの(肝芽腫など)
成人:
  • いろいろな原因による肝硬変
     B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスによるもの
     アルコール性、原因不明なもの
  • 肝臓癌
     肝臓以外に転移がなく、肝臓の大きな血管に癌が広がっていない状態のもの。かつ、他の治療方法が困難な状態。
  • 胆汁が肝臓から出て行きにくく、黄疸から肝硬変を来す病気。
     原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、成人になった胆道閉鎖症など。
  • 先天的に肝臓を中心とした代謝機能に異常がある病気
  • 劇症肝不全
    以上の他、数は少ないですが、いろんな珍しいケースで移植が行われた病気もあり、また、一度肝移植を受けた後、その肝臓がまた悪くなって移植を受ける、いわゆる再移植の症例も少しずつ増えています。
図5 日本の初回生体肝移植の適応疾患(小児) (~2010.12)
図5 日本の初回生体肝移植の適応疾患(小児) (~2010.12)
図6 日本の初回生体肝移植の適応疾患(成人) (~2010.12)
図6 日本の初回生体肝移植の適応疾患(成人) (~2010.12)
図7 熊本大学での生体肝移植の適応疾患 (~2010.12:297例)
図7 熊本大学での生体肝移植の適応疾患 (~2010.12:297例)
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