肝移植の手引き
(3)生体ドナーの退院後について
肝外側区域切除(子供への移植の場合の多くがこの方法)では、手術後平均2週間、肝左葉切除、肝右葉切除(大人への移植の場合の多くがこの方法)では、手術後平均3週間で退院となります。退院後も無理をしないように体調に注意しながら生活をして下さい。退院後すぐは、徐々に軽い運動から始め、激しい運動や重いものを持ち上げるような腹筋を使うような動作は控えて下さい。
1)外来受診について
退院後の最初の外来は、通常は手術後1ヵ月に受診して頂きます。合併症や何らかの理由で入院期間が延びた方については、入院中の退院決定時に主治医の方から説明があります。
手術後1ヵ月目の検査で問題がなければ、手術後3ヵ月、6ヵ月、1年と受診して頂き、その後は、1年毎に外来受診して頂きます。1年以降は、職場などの検診で定期的に検査が行われる時は、それで代用して頂いても構いません。
また、それ以外にも体調に異常を感じた場合は、連絡して下さい。症状に応じて、その後の対応についてご連絡致します。
※ 退院後1回目の外来(手術後1ヵ月)の検査で問題がなければ、次回外来受診からはご本人の保険診療となります。
2)日常生活について
食事:基本的に制限はありませんが、規則正しい食生活を行って下さい。
飲酒:術後できるだけ禁酒することが望ましいです。
3)仕事の復帰
仕事内容や手術後の個人の回復程度により違ってきます。
2009年に行った熊本大学のドナーアンケート調査では、手術後約1ヶ月で復帰する方もおられましたが、平均的には手術後2、3ヵ月頃の職場復帰が多い結果でした(図15)。手術後2、3ヵ月が一つの目安と思われますが、個人差がありますので、何かあれば医師にご相談して下さい。
図15 |
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