緩和ケアは病気そのものの治療ではなく、主に対症療法(自覚的な症状を軽くするための処置や投薬等)を中心とした医療・ケアです。お体や気持ちの辛さの軽減・家族相談・経済的なアドバイスと社会保障の提案・自然な看取り等を目的とします。緩和ケアは基本的にどこでも受けることが出来ますが、専門的な緩和ケアとなると一部の施設に限られます。
熊本県には18のがん診療連携拠点病院があり、その全施設で緩和ケアチームが活動しています。
熊本県内に16施設ありますが、これ以外の施設でも緩和ケアを目的とした病床を運用している施設もあります。
がん診療連携拠点病院や緩和ケア病棟を有する多くの施設では、緩和ケア外来を開設し、そこの外来で緩和ケアを受けることができます。
主に在宅療養支援診療所といわれる施設・開業医・その他では、訪問診療を通じてご自宅に居ながら緩和ケアを受けることができます。
ご希望の施設の窓口でお尋ねになり、それでもお困りの場合は当院緩和ケアセンター(096-373-5637、9:00~17:00)までご相談ください(匿名可能 当院受診歴は必要ありません)。
緩和ケアを受けたいと考えている患者さんやご家族様で、緩和ケア担当医師の診察を希望される方に対し、外来診療を行います。必要に応じて看護師や臨床心理士、栄養士、社会福祉士などに連携をはかり、チームでサポートします。診察には予約が必要です。
がん看護専門看護師・がん看護分野認定看護師が外来診察室で患者さんと面談して、主治医と連携をとりながら体や心のケアを行います。具体的には、おからだや気持ちのつらさを詳しく伺い、今お悩みのことを一緒に考えて対応致します。また、診察時の医師の説明を補足したり、治療に関する必要な情報提供を行うなど診察や治療のサポートを致します。
(がん看護外来をご希望の方は、診察時に主治医へご相談ください。)
がん相談支援センターは、患者さんやご家族のほか、地域の方々は誰でも無料でご利用できます。主な相談内容は、がんの検査・治療・副作用、生活や治療費のこと、不安や落ち込みなどこころのこと、医療者とのコミュニケーション(説明が難しい、希望を上手く伝えられない)、家族とのコミュニケーション(家族にどう話して良いか、どう接していいかわからない)、緩和ケアを受けられる病院はあるかなど色々な不安に対応します。
連絡先 | 096-373-5676 |
---|
連絡先 | 096-373-5717 096-373-5766 |
---|
現在、緩和ケアはがんと診断されて治療開始した時から同時に行うべき医療とされております。そのため、当院の緩和ケアセンターと外来化学療法センター(18床)は平成26年9月に新外来棟2階へ移転した際に隣接した配置となっており、緩和ケアチームと外来化学療法センターのスタッフは常に連携して業務に従事しております。当院の外来化学療法中に緩和ケアチームへ相談希望の方は、外来化学療法センター看護師へお申し出ください。
全てのがんの患者さんとご家族が参加できます。当院以外の方も参加できます。体験談などをお話しする交流の場です。事前の予約は不要です。毎月第三火曜日10時~12時、当院西病棟3階カンファレンスルームにて開催。
治療や検査、リンパ浮腫や療養のこと、食事や生活に関することなど医師に直接お話しを聞くことが出来ます。乳がんを経験された方と交流もでき、当院以外の患者さんの参加も可能です。事前予約は不要です。毎月第三土曜日、13時~15時まで当院西病棟3階カンファレンスルームにて開催。※日程は変更する場合があります。事前にがん相談支援センターまでお問い合わせ下さい。
乳がんの患者さんを対象に、茶話会やお菓子作りなど身体に良いこと、楽しいことを考えた交流会です。3月、6月、9月の第二土曜日、10時30分~14時当院西病棟3階カンファレンスルームにて開催。材料代など、詳細はがん相談支援センターまでお問い合わせ下さい。
おおむね20歳から50歳代のがんの患者さんを対象に、治療や療養のこと、お仕事、家庭や育児のこと、経済的なことなどの相談に対応しています。がんの専門の相談員が常駐し、困りごとの問題解決に向けお手伝いをしていきます。相談料は無料です。毎週金曜日、外来棟受け付け奥の相談室にて10時~12時まで開催しています。治療や検査の待ち時間など、お気軽にお越し下さい。
緩和ケア病棟はホスピスとも呼ばれています。
緩和ケア病棟に入院できる患者さんとしては、がんの進行に伴う体や精神的な症状があり、がんを治すことを目標にした治療が困難となったり、あるいはこれらの治療を希望しない方を主な対象としています。緩和ケア病棟と一般病棟の違いには以下の様なものがあります。
緩和ケア病棟は、「重い病を抱える患者やその家族一人一人の身体や心などの様々なつらさをやわらげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケアを行うとともに、外来や在宅への円滑な移行も支援する病棟」です。もちろん、終末期を過ごしていただく病棟と言う一面もありますが、それに加えて在宅療養中の患者さんの支援や、在宅療養への移行を支援する病棟という認識が、患者さんと家族だけではなく、医療者にも必要となってきています。
病院名をクリックすると、各病院のホームページが開きます。
お体の病状が安定していれば、緩和ケアに関する診療・ケアは自宅でも同じように受けることが可能です。多くの方々が療養場所に自宅を選びます。自分の住み慣れた場所は自由度が高くリラックスできる環境ですので、療養にはもってこいです。訪問診療医(かかりつけ医)や訪問看護師・ケアマネージャー・薬剤師・リハビリ・歯科医師などなど、多くの医療・介護関係者が皆様の生活を支えます。また、在宅緩和ケアを選択したからといって病院とのつながりが完全に無くなるわけではありませんので、ご安心ください。
痛みに対し医療用麻薬(モルヒネ等)は非常に有効です。しかし、モルヒネ等に対しては、「命が縮む」「麻薬中毒になり止められない」「臨終の最期に使うお薬」等の誤解があります。強調しますが、これらはすべて間違った知識・情報です。他の薬剤と同じように訓練された医療者が処方し、皆様が正しく使用していただければ安全なお薬です。当然、副作用(吐き気・便秘・眠気等)もありますが、多くの副作用は予防・治療が可能ですので医師・看護師あるいは薬剤師にご相談ください。
緩和ケアの対象は病気の方のみならず、ご家族も含まれます。これからどうすれば良いのか分からなくなり、ご家族が途方に暮れる時もあります。当院緩和ケアセンターはご家族からのご相談(当院の受診歴は不要です)も受けつけていますので、まずは緩和ケアセンターまでご相談ください。