2022年度プログラムについては、令和3年5月以降に掲載予定です。
附:2年次以後について
【プログラムの概要・特徴】
口腔内には虫歯や歯周病以外にも様々な疾患が発生する。そして、口腔内に発生する病気、口腔内が原因となる病気のほとんど全てが歯科口腔外科の診療対象になる。そのなかには外科療法だけでなく内科的な治療や薬物治療が必要な場合もある。従ってその病種は非常に多種多様となる。また、虫歯の治療であっても心臓や肝臓に基礎疾患がある患者様には医学的な知識を基にした全身管理が必要なこともある。このように歯科口腔外科医の身につけるべき知識と技術は多彩なものとなっている。
そのため研修プログラムは、口腔内の多様な疾患を正確に診断するための診断力、抜歯術をはじめとする基本的な外科手術の技術、そして有病者など患者様の全身状態を把握する全身管理能力を養成するものでなければならない。
また、熊本大学病院の口腔外科治療の特色として口腔癌の入院治療がある。口腔癌治療はいわば口腔外科のあらゆる知識・技術の集約されたものであり、口腔癌医療を経験することによって知識と技術の向上はもちろん、問題解決能力や診療創造力が優れた歯科口腔外科医を養成していきたいと考えている。
現在、初期研修は2年間あり、外来診療と病棟診療を交互に経験することによって診察能力・診断能力の養成と一般歯科治療と口腔外科小手術(抜歯、切開)の技能の習得が研修の中心となっている。しかしながら、平成18年度より、歯科研修医制度の義務化に伴い、厚生労働省の認める歯科初期研修期間は1年となった。
しかし、熊本大学病院では2年間の初期研修は口腔外科医の育成のためには絶対に欠かせないシステムと考え、1年コースに加えて、2年コースを作成した。さらに、専門修練では、熊本大学病院歯科口腔外科は、一般歯科よりも口腔外科を主体にして、歯科口腔外科認定医の取得を一つの目的とした研修を行う。
卒業後初期研修開始時に日本口腔外科学会に入会すれば、熊本大学病院歯科口腔外科は日本口腔外科学会指定の認定医研修機関であり、初期研修、専門修練期間併せて3年間の研修後には日本口腔外科学会認定の認定医の取得資格が得られる。専門修練でさらに4年-5年間研修を積むことによって専門医試験受験資格(6年以上継続した日本口腔外科学会会員と6年以上の指定機関における口腔外科研修)を得ることができるプログラムとしている。
専門修練として初期研修修了後4年間、ジュニアレジデントとして歯科口腔外科で診療、または当院の救急・総合診療部(救急外来)・集中治療部(ICU)への半年のローテーション出向、さらに関連病院への出向の形で歯科口腔外科の技能、全身管理能力を身につける。その中で、埋伏智歯抜歯術をはじめとしての口腔外科の基本的な外来手術から全身麻酔下での高度の手術手技までをマスターさせる。卒後4年以降に日本口腔外科学会認定医試験の症例を経験させ、認定医試験を受験させる。さらに、卒後6年~7年目までに、全身麻酔手術症例の執刀医として手術症例を経験させ、専門医試験資格に必要な症例数を履修させ、専門医試験を受験させる。
また、卒後2年までに学会発表を1回以上ノルマとして行わせ、それ以後も年1回以上の学会発表を指名する。さらに、論文発表も積極的にサポートする。学会発表や論文発表(5編以上)は専門医試験受験資格に必要である。
専門医取得後は、大学病院でスタッフとして残るか、関連病院で臨床を深めるか、本人の希望と医局の方針を検討してその進路を決めていくことになる。
4年間の大学院で研究を行う。大学院には、1)基礎の教室に出向して4年間研究に邁進するコースと、2)臨床的テーマを選択して臨床を行いながら研究活動を行うコースの選択がある。どちらも、この4年間は口腔外科の臨床経験期間に組み込まれ、専門医受験資格は大学院卒業後1年で獲得できる。大学院修了後は大学でスタッフとして残り専門医資格獲得を目指すか、関連病院で臨床を深めるかは、本人の希望と医局の方針を検討してその進路を決めていくことになる。
大学病院からは出ることになるが、昼は勤務しながら、夜間に大学院活動を行う社会人大学院を受験して研究活動を行うことも可能である。
初期研修修了後1年目の専門修練は希望があれば受け入れ可能で、歯科口腔外科で診療を行う。その後の2年-5年間の専門修練は、その時の状況で採用可能か否かは未定である。専門修練の2年目以降が可能な場合は、ジュニアレジデントとして歯科口腔外科で診療、または当院の麻酔科か救急・総合診療部(救急外来)・集中治療部(ICU)への半年間のローテーション出向、さらに関連病院への出向の形で歯科口腔外科の技能、全身管理能力を身につける。その中で、埋伏智歯抜歯術をはじめとして口腔外科の基本的な外来手術をマスターさせる。卒後4年以降に日本口腔外科学会認定医試験の症例を経験させ、認定医試験を受験させる。さらに、卒後6年~7年目までに、全身麻酔手術症例の執刀医として手術症例を経験させ、専門医試験資格に必要な症例数を履修させ、専門医試験を受験させる。
また、卒後2年までに学会発表を1回以上ノルマとして発表させ、それ以後も年1回以上の学会発表を指名する。専門医取得後は、大学病院でスタッフとして残るか、関連病院で臨床を深めるか、本人の希望と医局の方針を検討してその進路を決めていくことになる。
4年間大学院で研究を行う。大学院には、1)基礎の教室に出向して4年間研究に邁進するコースと、2)臨床的テーマを選択して臨床を行いながら研究活動を行うコースの選択がある。どちらも、この4年間は口腔外科の臨床経験期間に組み込まれ、専門医受験資格は大学卒業後2年で獲得できる。大学院修了後は大学でスタッフとして残り専門医資格獲得を目指すか、関連病院で臨床を深めるか、本人の希望と医局の方針を検討してその進路を決めていくことになる。
大学病院からは出ることになるが、昼は勤務しながら、夜間に大学院活動を行う社会人大学院を受験して研究活動を行うことも可能である。
注:(1)については2年目以降の専門修練を受けられるか否かはその時の状況によりその時点にならないと判らない。
中山 秀樹 教授(科長)
吉田遼司 准教授、廣末晃之 助教、永田将士 助教、川原健太 特任助教、平山真敏 医員
卒後研修後からは大学院入学もすすめる。熊本大学の基礎研究室(生命科学研究部、発生医学研究センター、生命資源研究センター)に出向して最先端の基礎研究を行って学位を取得することも可能であり、臨床的な研究テーマを選び、臨床を行いながら学位を取得することも可能である。また、大学病院からは出た者も、昼は勤務しながら、夜間を中心に大学院活動を行う社会人大学院を活用して研究活動を行うことも可能である。大学院修了後は基本的には大学で研鑽を積んでもらいたいと考えている。これからは、大学院を修了して学位をもつことが大学にスタッフとして残る条件になっている。また、大学院の期間も専門医の資格期間にすることが可能である。
1年目 | 卒後臨床研修(1年目) | (プログラムA) | 柴三郎プログラム | |
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2年目 | 卒後臨床研修(2年目) | (プログラムA) | ||
3年目 | 専門修練(1年目) | ジュニアまたは関連病院 | 大学院 一般選抜と 社会人選抜があります |
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4年目 | 専門修練(2年目) | |||
5年目 | 専門修練(3年目) | ジュニアまたは関連病院 | ||
6年目 | 専門修練(4年目) | |||
7年目 | (口腔外科専門医資格取得) シニアレジデント、大学スタッフ、関連病院 |
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8年目 | ||||
9年目 | ||||
10年目 |
ジュニア:ジュニアレジデント(熊本大学病院医員)
専門修練2年目に日本口腔外科学会認定医受験資格取得
柴三郎プログラムでは臨床研修と大学院研究を同時に経験することができる。
1年目 | 卒後臨床研修(1年目) | (プログラムB) | 柴三郎プログラム | |
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2年目 | 専門修練(1年目) | ジュニアまたは関連病院 | 大学院 一般選抜と 社会人選抜があります |
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3年目 | 専門修練(2年目) | |||
4年目 | 専門修練(3年目) | |||
5年目 | 専門修練(4年目) | ジュニアまたは関連病院 | ||
6年目 | 専門修練(5年目) | ジュニア | ||
7年目 | (口腔外科専門医資格取得) シニアレジデント、大学スタッフ、関連病院 |
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8年目 | ||||
9年目 | ||||
10年目 |
ジュニア:ジュニアレジデント(熊本大学病院医員)
専門修練3年目に日本口腔外科学会認定医受験資格取得
柴三郎プログラムでは臨床研修と大学院研究を同時に経験することができる。